Case17.猫のリンパ腫をLaverdiaで治療した症例
Laverdia(ラベルディア)はアメリカのFDAで承認がおりている犬のリンパ腫に使用する抗がん剤です。Laverdiaのメリットは、内服薬であることと副作用が比較的軽度だといわれているところです。特に骨髄抑制の副作用は出にくいとされています。
ただし猫での承認はおりていないため、猫の場合は獣医師の判断と飼い主さんの一存で使用することになります。
今回の症例は、消化管の低悪性度リンパ腫をクロラムブシルで治療中に高悪性度リンパ腫に移行した猫ちゃんです。飼い主さんの都合などにより、合意の上でLaverdiaを使用することになりました。
患者さんの情報
10歳の雑種猫
避妊済み雌
慢性の嘔吐と軟便を主訴に来院。高分化型リンパ腫を疑い、内視鏡検査を行いました。
Laverdiaを使用するまでの治療経過
検査結果からTリンパ球性小細胞性リンパ腫(高分化型リンパ腫)と診断。飼い主さんと相談して、クロラムブシルという抗がん剤で治療を開始しました。まずは1日おきに内服を開始し、その後嘔吐や軟便の症状が落ち着いてきたため、少しずつ内服の間隔をあけていきました。
しかしクロラムブシル投与開始から6か月経過した頃、消化管腫瘤の増大が見られ、検査結果からB細胞性の中~大細胞性リンパ腫(低分化型リンパ腫)と診断されました。
飼い主さんと相談し、ロイナーゼ(400U/kg)という皮下注射の抗がん剤に切り替え、1週間ごとに投薬するプロトコルで行いました。 その結果、4回目の投与までは腫瘍の縮小が見られましたが、5回目の投与後から腫瘍の増大傾向がみられるようになりました。

Laverdiaの使用開始と経過
飼い主さんと相談した結果、抗がん剤の副作用や通院頻度の観点から、Laverdia(ラベルディア)での治療を試験的にすることとなりました。最初は1.25mg/kgを週2回投与で開始しました。Laverdia投与開始から2週間で腫瘍の縮小が認められ、副作用の出現もないためお薬の量を1.5mg/kgに増量しました。
Laverdia投与開始から4週間後、副作用なのか肝臓の数値が少し高くなったため肝臓のお薬を追加しました。幸い、薬の内服を開始してからは肝臓の数値も基準値まで落ち着きました。
体調の変化としては、抗がん剤を投与した日は食欲が落ちるものの2~3日で回復し、その他に重大な副作用は認められませんでした。 腫瘍の経過としては病変が完全に消失しました。しかしもともとの高分化型リンパ腫の病変が少し悪さしてきているのかなという所見があるため、今後の抗がん治療をどうしていくか飼い主さんと検討する必要があると思います。

おわりに
幸い肝数値上昇も肝臓のお薬で落ち着き、その他の重大な副作用も出現せず低分化型リンパ腫の腫瘤病変が消失しているため、このままLaverdiaの投与は継続になるかと思われます。
今回はLaverdiaによる治療で猫のリンパ腫に効果を確認することができた症例でした。