猫の白血病・猫エイズとは?
猫の白血病・猫エイズとはどんな病気?
猫の白血病(FeLV:猫白血病ウイルス感染症)と猫エイズ(FIV:猫免疫不全ウイルス感染症)は、どちらもウイルスによる感染症で、猫にとって非常に深刻な病気です。
猫白血病ウイルス(FeLV)感染症は、白血病やリンパ腫などの腫瘍を引き起こし、免疫力を低下させることで様々な病気にかかりやすくなります。特に2〜3歳の若い猫での発症が多く、持続感染した猫の70〜90%が1年半〜3年の間に発症し、高確率で命を落としてしまう病気です。
猫エイズウイルス(FIV)感染症は、人のエイズと同様に免疫機能を徐々に破壊していく病気です。感染しても長期間無症状で過ごすことが多く、中には発症せずに生涯を過ごす猫もいますが、一度発症すると様々な日和見感染や悪性腫瘍のリスクが高まります。
猫白血病ウイルス(FeLV)の3つの感染タイプ
Felvには大きく分けて「持続感染」と「一過性感染」と「潜伏感染」の3つがあります。
ウイルスが骨髄の細胞に感染したままの状態です。特に生後4か月以内に感染した場合、高い確率で持続感染となります。体中の様々な細胞に感染するため、多様な病気が起こり、70〜90%の猫が1年半〜3年の間に発症し、命を落としてしまいます。
免疫がしっかりと働くことでウイルスを完全に排除でき、元の状態に戻ることです。症状が出る場合と無症状の場合があります。
ウイルスが骨髄やリンパ節に潜むものの、体の防御力によって抑え込まれている状態です。普段は症状が現れませんが、免疫力が低下したときに再びウイルスが活発化し、持続感染する場合があります。
猫エイズウイルス(FIV)の進行段階
猫エイズは以下の5段階で症状が進行します。
軽い風邪のような症状が見られます。発熱、リンパ節の腫れ、軽度の食欲不振などが数週間続くことがあります。
症状がなく、数年から10年以上も無症状のまま過ごすことがあります。この期間中はウイルスを持っているものの、日常生活に支障はありません。
全身のリンパ節が腫れてきます。この時期から免疫機能の低下が始まります。
免疫機能が低下し、慢性歯肉口内炎、皮膚病、慢性上部呼吸器感染症などの慢性的な病気が現れやすくなります。
体重の減少、食欲不振、重度の貧血、日和見感染(普段は害のない病原体による感染症)、悪性腫瘍などが見られ、最終的には命を落とすことになります。
猫白血病・猫エイズの症状
猫白血病(FeLV)の症状
- 抗生物質では下がらない発熱
- 食欲不振、体重減少
- 元気がなくなる
- リンパ節の腫れ
- 重度の貧血(歯ぐきや舌が白い)
- 前縦隔型リンパ腫による呼吸困難
- 胸水や腹水の貯留
- 免疫力低下による二次感染
- 慢性歯肉口内炎
- 繁殖障害
猫エイズ(FIV)の症状
- 軽度の発熱
- リンパ節の腫れ
- 軽い食欲不振
- 慢性歯肉口内炎(最も多い症状)
- よだれの増加
- 慢性鼻炎・副鼻腔炎
- 慢性皮膚炎
- 慢性下痢
- 体重減少
- 重度の貧血
- 悪性腫瘍の発症
- 重篤な日和見感染
- 神経症状
猫白血病・猫エイズの原因は?
猫白血病(FeLV)の感染経路
- 唾液(最も感染力が強い)
- 鼻汁
- 糞尿
- 血液
- 母乳
- 猫同士のケンカによる咬傷
- グルーミング(毛づくろい)
- 同じ食器やトイレの共有
- 母猫から子猫への垂直感染
- 密接な接触による飛沫感染
猫エイズ(FIV)の感染経路
- 猫同士のケンカによる咬傷(最も多い感染経路)
- 交尾による感染
- 母猫から子猫への垂直感染(まれ)
FIVはFeLVと比べて感染力が弱く、日常的なグルーミングや食器の共有では感染しにくいとされています。
猫白血病・猫エイズの検査と診断方法
猫白血病ウイルス(FeLV)と猫エイズウイルス(FIV)は、1つの検査キットで両方を同時に調べることができます。少量の血液を採取し、約5分で結果が分かる迅速検査を行います。
血液中のFeLVウイルス抗原を検出します。感染してから約4週間でウイルスを検出できるようになりますが、感染初期は陰性となることがあるため、感染の可能性がある場合は複数回の検査が必要です。
血液中のFIVウイルスに対する抗体を検出します。感染してから抗体が産生されるまで2〜8週間かかるため、感染直後は陰性となることがあります。
PCR検査は、ウイルスの遺伝子を直接検出する高感度な診断法です。抗体検査では判定が難しい感染初期や、ワクチン接種後の判別にも有効で、より正確な感染状況の把握が可能になります。血液から検査を行い、確定診断に役立ちます。
血液検査では、主に以下のような項目をチェックします。
FeLV感染では貧血、白血球の増加や減少、血小板減少がよく見られます。FIV感染では慢性期にリンパ球の減少や貧血が見られることがあります。
血清中の成分を分析します。肝機能や腎機能の異常、タンパク質の変化などを確認し、二次的な疾患の有無を調べます。
画像検査では、主に以下のような項目をチェックします。
FeLV感染猫でよく見られる前縦隔型リンパ腫の有無を確認します。リンパ節の腫大により心臓や肺が圧迫され、呼吸困難を引き起こすことがあります。
腹腔内のリンパ節や臓器の腫大、腹水の有無などを確認します。
白血病やリンパ腫が疑われる場合、骨髄検査を行うことがあります。全身麻酔下で骨髄液を採取し、異常細胞の割合や種類を詳しく調べます。
リンパ節や臓器に腫瘤が認められる場合、組織の一部を採取して病理検査を行い、悪性腫瘍の確定診断を行います。
猫白血病・猫エイズのお薬と代金
Aviation(アビエイション)- FeLV・FIV治療薬
用法:経口投与、1日1回、生涯継続投与
用量:体重に応じて調整
費用:体重・性別・猫種に関係なく1ヶ月30,000円程度
(ご注意) Aviationは極めて新しい治療薬のため、ペット保険の適用ができません。
化学療法(FeLV関連リンパ腫の場合)
FeLV陽性猫に発症したリンパ腫に対しては、多剤併用化学療法を行います。
主な薬剤:ビンクリスチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、プレドニゾロンなど用法:複数の抗がん剤を組み合わせた治療、約5〜6ヶ月間の治療期間
費用:体重4kgの猫の場合、1回の治療で12,000〜25,000円程度、完全なプロトコール治療では15〜20回の治療が必要となり、総額300,000〜500,000円程度となります。
リンパ腫治療
リンパ腫に対する内服治療の詳細は下記ページを御覧ください。
ブルーム動物病院 腫瘍・がん治療 リンパ腫:https://bloom-ah.com/information/cancer#リンパ腫
猫エイズに対する特異的治療
用量:体重1kgあたり毎度1MU
費用:体重4kgの猫の場合、1回4,000円程度
用量:体重1kgあたり0.75ml
費用:体重4kgの猫の場合、1日3,800~11,000円程度
用量:体重1kgあたり0.3ml
費用:体重4kgの猫の場合、1日9,000円程度
対症療法・支持療法
慢性歯肉口内炎治療
当院では慢性歯肉口内炎に対して麻酔も抜歯もしない新しい治療を行っています。
詳しくは下記ページを御覧ください。
ブルーム動物病院 猫口内炎治療:https://bloom-ah.com/information/fcgs/
メリット:炎症を効果的に抑制
デメリット:長期使用による副作用、免疫抑制作用
費用:月額3,000〜6,000円程度
メリット:ステロイドが効かない場合に有効
デメリット:高額、副作用の監視が必要
費用:体重4kgの猫の場合、月額15,000〜25,000円程度
費用:月額5,000〜10,000円程度
栄養補助・免疫サポート
費用:月額3,000〜5,000円程度
費用:月額8,000〜12,000円程度
検査費用
確認検査(PCR法):8,000〜12,000円
生化学検査:5,000〜8,000円
腹部超音波:6,000〜10,000円
治療費用の月額目安
リンパ腫化学療法期間中:50,000〜100,000円/月
維持療法期間:15,000〜30,000円/月
口内炎治療中:60,000〜90,000円/月
無症状期の管理:10,000〜20,000円/月
また、経済的な負担も考慮し、効果的で持続可能な治療法をご相談させていただきます。治療に関するご不明な点や心配事がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
猫白血病・猫エイズ治療でお困りの方は、当院までご連絡ください。
当院では、とにかく命を助けることを一番に考えた上で、
飼い主さんの要望に合わせて治療プランを提示しています。
病状や予後によってはイレギュラーな治療になる場合も多々ありますが、
どの子にも一辺倒な投薬をするよりかは良いと考えています。
猫の白血病・猫エイズでお困りの方は、当院までご連絡ください。